ポール・マッカートニーのソロ時代の個人的なベスト40曲を挙げてみた

2017年9月24日

ポール・マッカートニーのソロ時代の個人的なベストを40曲挙げてみた。

2週間ほど前にRolling Stoneのサイトであるライターがそのようなテーマで記事を挙げていて、ああそんな雑なテーマでも著名メディアの記事になったりするんだ、じゃあ僕もやるよ、と。Rolling Stoneのその記事も、ライターの個人的趣味の選曲だったし。

Paul McCartney’s 40 Greatest Solo Songs | Rolling Stone

その記事では曲ごとにYouTubeの紹介があって、公式アカウントや信頼あるアカウント以外の個人がアップしている動画も多く埋め込まれていて、正直ちょっとうーんと思ったりするんだけれど、ここではできるだけオフィシャルなものを選んでみることにする(いくつかはどうしても個人がアップしたものになるけれど、許して)。

たぶん数か月後に見直すと曲は変わるんだろうけれど、20位ぐらいからは結構マジな曲のリスト。

40. My Love

Red Rose Speedway, 1973

「My Love」。動画はRockshowのライブからだけど、原曲も音数の少ないバンド編成によるシンプルな演奏。当時の愛妻リンダに向けた曲で、メロディも素晴らしいものながら、さらに秀逸なのがHenry McCulloughのギターソロ。素晴らしい。

39. Save Us

New, 2013

「Save Us」。最近のポールにしてはBPMの速いロック曲。しかもかなり密室的なアレンジと音作り。ライブだともう少し重めの演奏になる。

38. Tug of War

Tug of War, 1982

「Tug of War」。すごく丁寧に構成された曲という印象。メロディもアレンジも用意周到に準備された感じ。ジョージ・マーティンのプロデュースだからというのもあるし、1982年というタイミングで慎重だったというのもあるし、隙のない大作。

37. I Owe It All to You

Off the Ground, 1993

「I Owe It All to You」。マイナーなトーンで淡々と乾いた感じで進む曲調だけれど、耳に残る曲。この当時はツアーをやっていたこともあって、シンプルなバンド演奏。ギターでコピーしたなあ。

36. Warm and Beautiful

Wings at the Speed of Sound, 1976

「Warm and Beautiful」。ピアノ主体の美しいメロディのバラード。大げさなアレンジにならずにシンプルな感じに留めているのが好き。ポールらしい。

35. Here Today

Tug of War, 1982

「Here Today」。ジョン・レノンに向けた曲。1982年。ジョージ・マーティンのプロデュースとアレンジ。ポールがライブでこの曲を演奏するのは2002年のDriving World Tourからで、かなり涙を誘うライブの定番曲になった。ライブでは、ジョンに向けたこの「Here Today」とともに、ジョージに向けた「Something」も演奏されている。

34. Ebony and Ivory

Tug of War, 1982

「Ebony and Ivory」。スティーヴィー・ワンダーとのデュエットの大ヒット曲。「パーフェクトなポップス」という感じで完成されすぎた優等生的なつまらなさもあるけれど、まあいい曲ですよね。ドラムとキーボードをスティーヴィー・ワンダーが担当し、それ以外の楽器をポールが担当。それでこの完成度はちょっとすごい。

33. Listen to What the Man Said

Venus and Mars, 1975

「Listen to What the Man Said」。これも「ポップス」という体のウイングス時代の曲。ただ、こういった曲調と構成で、特に覚えやすいわけでもないメロディでどんどん進む形は珍しいように思う。冷静に聴けば、イントロが一番キャッチーなんじゃないか、これ。

32. Nothing Too Much Just Out of Sight

Electric Arguments, 2008

「Nothing Too Much Just Out of Sight」。プロデューサーYouthとポール・マッカートニーによるユニットThe Fireman名義による、アルバム『Electric Arguments』の冒頭を飾る曲。演奏もすべてポールによるもので、ブルージーで変拍子という珍しい曲ながら、アルバム『McCartney』『McCartney II』のような雑な感じにならずにしっかりロックな曲として聴ける曲。むしろこのアルバムは、最近のポールのロックアルバムとしてはかなりいい出来。

31. Celebration

Standing Stone, 1997

「Celebration」。初出は、ポールが1997年にEMIレコーズの設立100周年を記念して制作したクラシック作品(交響詩)『Standing Stone』の中の1曲。クラシック作品ではポールは歌や演奏には参加していないが、ライブツアーのリハーサルではバンドでよく演奏されている。

公式には、ライブDVDの特典映像として収録されたライブリハーサル以外はちゃんとした形でリリースされていないけれど、メロディも歌詞も相当すてきなバラード曲。音源としてちゃんとリリースされないかなあ。ライブリハーサルでは、ポールのピアノを軸としたバンド演奏が主体で、最後の一節だけポールのボーカルが入る。

30. Baby’s Request

Back to the Egg, 1979

「Baby’s Request」。ジャズっぽいアレンジのすてきな曲。抑えた感じのギターの音色やドラムのブラシがいい。2012年にジャズのカバーアルバム『Kisses on the Bottom』を発表した際に、ボーナストラックで再演バージョンを収録している。

29. Queenie Eye

New, 2013

「Queenie Eye」。ややビートルズを彷彿するアレンジの曲(後ノリのドラムが特に)。コールアンドレスポンスを意識したような曲構成ということもあるのか、2013年以降のツアーでもよく演奏され、ライブ映えする曲でもある。

ミュージックビデオではジョニー・デップやケイト・モスをはじめ、著名人が多数出演している。冒頭やラストでミキサー卓前に座っているのはジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティン(アルバム『New』の6曲をジャイルズはプロデュースしているが、この「Queenie Eye」はPaul Epworthによるプロデュース)。

2014年のグラミー賞授賞式での演奏では、リンゴ・スターがドラムで参加した。

28. Dance Tonight

Memory Almost Full, 2007

「Dance Tonight」。ポールの鼻歌的な曲で、演奏もかなりラフ。こんな曲をアルバムから最初のシングルとして出すのはポールぐらい。アップル社のiPod(かiTunes)のCMに本人出演でこの曲が使用された。

27. Fine Line

Chaos and Creation in the Backyard, 2005

「Fine Line」。すべての楽器がポールによる演奏の曲。いつもながら味のありすぎるドラムがポールらしくもあり。アルバム『Chaos and Creation in the Backyard』は全体的にビートルズ臭が漂う。

26. Mull of Kintyre

single, 1977

「Mull of Kintyre」。ポールとデニー・レインの共作による、スコットランドのキンタイア岬を歌った曲。バグパイプが大フィーチャーされたフォークワルツで、なかなか壮大な曲。地域色が強いので、アメリカではヒットしなかったけれどイギリスでは大ヒットした曲。

25. Souvenir

Flaming Pie, 1997

「Souvenir」。ジェフ・リンがプロデュースしたアルバム『Flaming Pie』収録の、渋くブルージーなワルツ。楽器は確かほとんどがポールによる演奏。ちらほらとジェフ・リン色が入りつつ、噛むほどに味のあるアレンジとメロディとコード進行がいい。

24. That Day Is Done

Flowers in the Dirt, 1989

「That Day Is Done」。ポールとエルヴィス・コステロとの共作曲。バックコーラスでもコステロは参加。メロディはポールらしくもあり、コステロらしくもあり。そして透明感を残しつつやや重厚なピアノはニッキー・ホプキンス。ニッキー・ホプキンスとポールとの共演はこれが最後じゃないかな。

23. Goodnight Tonight

single, 1979

「Goodnight Tonight」。ウイングス時代の、ポールなりのディスコ調の曲。フラメンコチックなスパニッシュギターのイントロで始まり、落ち着いたディスコのビートに乗せてメロウなメロディが進み、でもサビはリトル・リチャード風シャウトで、そこまで徐々にかつ自然に持っていくという、貫禄と余裕すら感じる曲。

ウイングス後期に少しだけライブ演奏された以外は、ソロになってからライブで演奏されていないと思う。ライブでやってほしい曲の一つ。

22. Soily

Wings over America, 1976

「Soily」。ウイングス時代のポールのかなり重いロックな曲。ヘビーさではポールの曲の中でも1~2位を争う曲で、ライブではアンコールでよく演奏されていたらしい。公式にリリースされたのはライブアルバム『Wings Over America』が最初。

21. Rock Show (New Version)

original released on Venus and Mars, 1975

「Rock Show (New Version)」。元々は1975年発表のアルバム『Venus and Mars』に「Venus and Mars / Rock Show」のメドレーとして収録された曲。2014年にリマスター盤が発売された際に、ポールの公式サイトで無料ダウンロードで「Rock Show (New Version)」として公開されたバージョン。リマスター盤には「Rock Show (Old Version)」がボーナストラックで収録されていて、おそらくいくつかのアウトテイクを編集して構成されたのではと思う。

まあとにかく、装飾がまだ施されていない荒削りなロックなアレンジで、僕はこのバージョンの方が好き。ウイングスとしてもこのときが全盛期だと思う。

20. Getting Closer

Back to the Egg, 1979

「Getting Closer」。ウイングス時代のロック色が強い曲。この曲もウイングス後期に少しだけライブ演奏された以外はソロになって演奏されておらず、ライブでやってほしい曲の一つ。

19. Nineteen Hundred and Eighty-Five

Band on the Run, 1973

「Nineteen Hundred and Eighty-Five」。ウイングスのアルバム『Band on the Run』の最後を飾る渋いビートの曲。シングル発売はないものの人気の曲で、2010年頃から再びライブツアーでよく演奏されている。ポールがピアノを演奏する曲ながら、バンドアンサンブルとしてスリリングな演奏がされる曲。動画は2010年のJools Hollandのテレビショーでのもの。

18. Press

Press to Play, 1986

「Press」。うまく説明できないんだけれど、好きなんだなあ、この曲。80年代って、ベテランミュージシャンもみんなどこか「80年代」の色になって、ポールもまさしく80年代のビートをなぞるんだけれど、こういう堅い打ち込みのビートに乗せた曲も、僕は好きだ。しかもかなり好きだ。ハッピーさがちゃんとあるからかな。

17. Junk

McCartney, 1970

「Junk」。ソロデビュー作『McCartney』収録の小品ながら、人気の高い曲。短編詩のような、短くも美しいメロディとアレンジ。むしろこの短さがいい。

16. Wanderlust

Tug of War, 1982

「Wanderlust」。アルバム『Tug of War』収録の、丁寧に作られた感じのピアノの大作。ああジョージ・マーティンのプロデュースだなあと感じる曲。途中から主旋律とカウンターメロディを重ねるところはゾクゾクするぐらい好きで、主旋律もカウンターメロディもどちらも素晴らしいメロディというのがポールらしい。

15. Maybe Baby

the soundtrack for the British film Maybe Baby, 2000

「Maybe Baby」。映画『Maybe Baby』の主題歌として提供した、バディ・ホリーのカバー曲。ジェフ・リンのプロデュース。まったくもってジェフ・リン色の強いアレンジで、演奏もたぶんポールとジェフ・リンだけだと思う。でもなんだろう、このノリノリの勢いとアレンジは大好き。30回ぐらい連続で聴ける。

14. No More Lonely Nights

Give My Regards to Broad Street, 1984

「No More Lonely Nights」。ポールの80年代を代表するバラードの一つになるんだろう。デヴィッド・ギルモアの泣きのギターがなくてはならない曲。パーフェクトな曲。ライブで聴きたかったな、これ。

13. Live and Let Die

single 1973

「Live and Let Die」。映画007の主題歌として制作されたジョージ・マーティン・プロデュースの曲。まあウイングスのバージョンもそれはそれとして好きではあるものの、ライブでとにかく盛り上がる曲。ライブでこの曲が始まると「きたきた」とワクワクする。ライブでは、マグネシウムによる爆発や、屋外なら花火もボンボン打ち上がる。客席にいると結構火力が強いのがわかる。

これねえ、幻となった2014年の国立競技場でのライブで、ほぼ間違いなく花火が上がったはずなんよねえ。見たかったな。この国立競技場、僕のチケットはアリーナの前から10番目だったんよ……。入り待ちしたけれど、ポールは来なかったんよ……。

12. So Bad

Pipes of Peace, 1983

「So Bad」。ファルセットが特徴的なシンプルなアレンジのバラード。ベースのメロディラインが美しい。ドラムはリンゴ・スター、ギターはエリック・スチュワート。

11. Once Upon a Long Ago

All The Best, 1987

「Once Upon a Long Ago」。僕にとってはこの曲ぐらいからリアルタイム。イントロのピアノのコードだけでじんわりしてしまう。いま改めて聴くと、すごく丁寧なアレンジだなと思う。

10. Only Love Remains

Press to Play, 1986

「Only Love Remains」。大好きなバラード曲の一つ。やや甘めの味付けだけれど、それがポールらしくもあり。7インチレコードだけに収録されたシングルバージョンは、パーカッションなどの楽器やサックスのフレーズが多いミックス(動画はそのシングルバージョン)。

9. Coming Up

McCartney II, 1980

「Coming Up」。イギリス向けシングルはへなちょこテクノで、アメリカ向けシングルはウイングスによるライブバージョンだったりと、当時公式にリリースされたものでも複数パターンが準備されたキャッチーな曲。ライブでも、よりディスコっぽかったりバンドアレンジだったりといろいろあるけれど、近年のバンドアレンジがスリリングな感じで好き。最近はツアーの本編じゃなくリハーサルでしか演奏されていなくて、ちょっと残念だけれど。

動画は2013年のBBCの6 Music Liveでの演奏から、ロックなアレンジのバージョン。

8. Band on the Run

Band on the Run, 1973

「Band on the Run」。3部構成のウイングス時代の代表曲。ライブでは終盤の始まりを知らせるポジションで演奏される。イントロが始まると観客は「おおーー」となり、2部のBメロ?が始まるとまた拍手とともに「おおおーー」となり、3部の華やかなパートになると両手を挙げて「うおおおーー」と大歓声となり、サビで大合唱する、そんな曲。

7. Jet

Band on the Run, 1973

「Jet」。これもウイングス時代の代表曲。ライブの序盤の景気づけに演奏される。ライブ映えする曲で、拳を挙げて一緒に「ジェッ!」とやるのがなんとなくのお約束。

6. Uncle Albert / Admiral Halsey

Ram, 1971

「Uncle Albert / Admiral Halsey」。アルバム『Ram』に収録されている名曲。複数のメロディがいろんなワクワクするアレンジで繰り出されるぜいたくな曲。ポールらしいメロディとセンスと、ポップミュージックの楽しさを存分に楽しめる。全体的にややデモっぽいアレンジと演奏だけれど、それがこの時代でもあり、この曲の魅力。

5. The Back Seat of My Car

Ram, 1971

「The Back Seat of My Car」。これもアルバム『Ram』に収録されている名曲。これも「Uncle Albert / Admiral Halsey」と同様に、複数のメロディがいろんなワクワクアレンジで繰り出される曲。歌詞すら適当に歌っているところがあるなど、部分的にデモっぽいアレンジと演奏がありつつ、ぜいたくなオーケストラアレンジも入り、ポールのシャウトで締めるという、魅力あり余る曲。

4. Silly Love Songs

Wings at the Speed of Sound, 1976

「Silly Love Songs」。パーフェクトなポップミュージック。「I love you」というシンプルすぎるフレーズがサビだったり、ブラスバンドチックなブラスアレンジだったり、王道すぎる展開の中にも、3つのメロディを同時に並べてそれを違和感なく溶け込ませたりと、才能がしっかりにじみ出すぎている曲。

3. My Brave Face

Flowers in the Dirt, 1989

「My Brave Face」。ミュージックビデオはなかなかひどくて、音楽に集中しにくい感じだけれど、曲はこれも「ザ・ポップミュージック」と呼ぶべき曲。エルヴィス・コステロとの共作曲。Bメロはかなりコステロっぽい。こんなにカラフルでキラキラしたメロディとアレンジは、ポールの曲の中でもピカイチ。

2. Beautiful Night

Flaming Pie, 1997

「Beautiful Night」。ジョージ・マーティンによるプロデュースとストリングス、ドラムにリンゴ・スター。バックコーラスにもリンゴ。もちろん当時の愛妻リンダもバックコーラス。アルバム全体的に「老い」が隠れたテーマで見え隠れする中、リンゴとポールとリンダで「ビューティフル・ナイト」と繰り返すところにグッとくる。リンダがこの翌年1998年に亡くなったと思うとなおさら。

1. Maybe I’m Amazed

McCartney, 1970

「Maybe I’m Amazed」。ビートルズ解散後すぐに発表されたソロ最初のアルバムの代表曲。演奏はすべてポールによるものながら、あまりそれを感じさせないパワフルで緊張感のあるアレンジと歌が展開される。

曲調としてはバラードになるんだろうけれど、まあこれはロックですよね。実際ライブで聴くと、全員でマックスのボリュームレベルで全力で演奏していて、かなり心にくるものがある。

1993年に初めて大阪ドームでポールのライブを見たとき、この曲で泣いた。泣けた。


以上です。なに長々とひとりごと書いてるんだろう。

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プロフィール

マキタニです。動物園と美術館を最近は好みます。
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