いまはコンビニを中心に売られているチロルチョコ。僕らが子供の頃は駄菓子屋さんで売られていましたが、当時の値段は10円でした。いまコンビニで売られているものは20円です。
てっきり時代の流れで20円に値上がりしたのだと思っていたのですが、違いました。「コンビニに流通させるためのバーコードをパッケージに載せるために、大きなサイズのものを準備した」というのが理由だそうです。2月13日放送のTBSのテレビ番組「キズナ食堂」で知りました。
そもそもチロルチョコが発売された1962年から、「子供の小遣いで買えるチョコレートを」ということで10円だったそうです。3個1列で10円。その後、オイルショックからの不況で30円にまで値上がりするも、売り上げが落ち、3個1列だったチョコレートを1個ずつにして再び10円に値下げ。「子供の小遣いで買えるチョコレート」のコンセプトを守ったというのもありますし、マーケティング的には「お客さんが求める価格で売る」というセオリーに沿ったとも言えます。
ちょうど僕が知るチロルチョコレートは、たぶんこのあたり。1個10円で駄菓子屋さんで売られていました。CMソングも「10円あったらチロルチョコ」というものでした。
その後、コンビニが登場して駄菓子屋さんが減り、チロルチョコも販路を変えなければいけない。でも、最小のバーコードを載せるには当時のパッケージの大きさでは不可能…。
ということで、バーコードを付けるためにサイズをひとまわり大きくし、20円のものが登場したとのこと。ただ、駄菓子屋さんではいまでも10円のものを売っているらしいです。
「子供の小遣いで買えるチョコレートを」というコンセプトは守りつつ(Product)、お客様の求める価格で売り続け(Price)、環境の変化に対応していく(Place)。マーケティングの基本をしっかり押さえているのですが、こういう歴史のストーリーで見ると、ある種の執念のようなものを感じます。
Product、Price、Placeとマーケティングの「4つのP」のうち3つを挙げましたが、Promotionだってなかなかいいですよね。バリエーションが豊富すぎて何種類あるのかわからないですし、「DECOチョコ」もこういう類の取り組みとしてはかなり早かったんじゃないかと思います。
種類によっては32円のものもあります。
ということで、今日チロルチョコを買ってきた次第。