YouTubeの「ぼなぺTV」というチャンネルが大好きだ。イタリアのフィレンツェ在住の日本人による、日常のおいしいものやおもしろい仲間を紹介しているチャンネル。
更新されるたびに動画を見ているんですけど、先日見た動画でとてもいいなと思った表現があった。
シンプルな材料を使って貧しい時代の工夫で発展してきたカラブリア料理。それでも楽しい、おいしい歴史が詰まっている
【パスタ🍝】イタリア レッジョ•ディ•カラブリアで見つけたヘビー級パスタ ストゥルンカトゥーラを知っているかReggio di Calabria in Italy Struncatura Pasta – YouTube
この動画は字幕だけのサイレントVlogなのでこの表現も字幕だ。チャンネル主のぼなぺさんが旅行先のカラブリア州の地元レストランで食べたパスタ「ストゥルンカトゥーラ」の感想として出てきたもの。
カラブリア州とその特徴的な食材の話
少し背景の説明が必要かもしれない。
カラブリア州はイタリアの南部に位置する州である。ブーツの形に例えられるイタリアのちょうど「つま先」に位置する州だ。日本人にはあまり馴染みのない地域かもしれない。
南イタリアは全体的に野菜や魚介が豊かに採れる印象がある。けれどもカラブリア州は土地の9割が山岳と丘陵地帯で、他の州ほど恵まれた土地ではない。経済力も弱く、イタリアで2番目に貧しい州らしい。
必然的に食材は保存を意識せざるを得ず、その中で特徴的な食材となるのが「唐辛子」。さまざまな食材の保存に唐辛子を使用し、料理にも唐辛子を多用する。「ンドゥイヤ」という有名な辛いサラミがあったり、ジェラートにも唐辛子が入ったりする。
「パン粉(モリーカ)」も多用される食材だ。パン粉という加工された食材なので保存も比較的しやすい。料理の仕上げにかけたり、パスタに加えられたりする。貧しい地域ならではの工夫。
ぼなぺさんが紹介していたパスタ「ストゥルンカトゥーラ」は、そのパン粉をフィーチャーしたパスタだ。
地元の人にとっては限られた資源でつないだ文化。でもそれはその州を特徴付ける魅力になる
でも、それはそれとしてその州の特徴的な要素になる。地元の人にとっては限られた資源の中でやりくりしてつないできた文化である一方で、それはその州を特徴付ける魅力になる。
それを踏まえて、もう一度かみしめてみる。
ぼなぺさんはときどきいろんな州に旅行に行き、その地元のレストランの地元らしい料理を紹介してくれる。動画からは愛を感じるし、この表現もとてもいい表現だ。僕は東京にいて体験できない側からではあるけれども、その街や食文化を想像し、遠く思いを馳せる。
おいしい料理を、ごちそうさまでした。
パン粉(モリーカ)を知ったのはサイゼリヤの別業態だった
そういえば「パン粉(モリーカ)」を知ったのはサイゼリヤの別業態「ミラノ食堂(高田馬場店)」だった。
ランチメニューで提供されていたメニューに「クリームグラタン モリーカがけ」というのがあった。そのときに「モリーカって何?」と調べて、南イタリアで用いられるパン粉だと知った。料理の仕上げにかけたり、パスタに入れたりする食材。
サイゼリヤはイタリアの文化を踏襲していてもあまりちゃんと説明をしないことがあって、これもその一つ。なんかそういうところはサイゼリヤらしいなとも思う。
サイゼリヤの別業態「ミラノ食堂 高田馬場店」はとてもいいお店だった。詳しく記事に残している。