昨日(2017年3月25日)、ポール・マッカートニーの『Flowers In The Dirt (Deluxe Edition)』の箱が届いたので、今日ゆっくりと聴いている。普段音楽はヘッドフォンで聴いているけれど、今日はコンポで、少し大きめのボリュームで。
3枚のCDと1枚のDVD、さらにダウンロードしなければいけない十数曲。パッケージとして言いたいことはまああるけれど、それはそれ、作品は作品。
まあ、『Flowers In The Dirt』は懐かしいよね。「My Brave Face」が今回はすごく奥行きがあるように聞こえる。
で、目玉であるElvis Costelloとのデモが収められたディスク2の「Original Demos」と、さらにディスク3の「1988 Demos」。
「Original Demos」の多くの曲は、いわゆるこれまでレア音源として出回っていたもの。耳にしていたとはいえ、それでもクリアな音で、生々しく手作り感のある原型が聴ける。うんうん、いいですよね、ですよね、という感じ。たしか2枚組のSpecial Editionはこれがパッケージされているはず。
で、ディスク3の「1988 Demos」。すべて初耳。結構できあがってるじゃないですか、というのと、Elvis Costelloとの共作アルバムとしてやっぱり当初は発表する予定だったのかしらというぐらい、Elvis Costelloがフィーチャーされている。
いわゆるこれまで感じていた作品としての『Flowers In The Dirt』への印象とは全然別の、ザクッとゴロッとしたブリティッシュ・ロックな感じ。
まあとにかく「My Brave Face (1988 Demo)」ですかね。まだ全体的にデモテイクのレベルなんだけれど、完全にPaul & Elvisの二人でボーカルを取っている。ギターのアレンジはPaul版に近い感じだけれど、かなりCostelloちっくなオルガンがBメロで入ってくる。これ、Mitchell Froomだろうか?(Steve Nieve的でもある)ブックレットのクレジットがちょっと信用できない感じなので、勝手な推測だけれど(1988 Demosのディスク3に関しては、キーボードが誰かというクレジットが書かれていない)。
※このキーボード、DVDを見たら、おそらくポールかコステロによる演奏っぽいね。
「Playboy To A Man (1988 Demo)」は、録音としてもアレンジとしても完成しているよね。ベースも唸ってる。最終的にはCostello版で再録音で発表されたけれど、Paul版も同様にロックな感じ。なぜ当時に発表されなかったのかというクオリティ。
「So Like Candy (1988 Demo)」もほぼ完成していて、やはりこの曲はメロディはポールぽいなと思う。コーラスのアレンジもCostello版とかなり違う。
「Tommy’s Coming Home (1988 Demo)」もリズムが異なって、ちゃんとアレンジされたキーボードも入ってくる。「Twenty Fine Fingers (1988 Demo)」も相当楽しそう。
「You Want Her Too (1988 Demo)」も基本的には発表されたバージョンに近いんだけれど、ボーカルと演奏が熱い。ソリッド。僕はこっちのバージョンの方が好き。
だいぶ、僕らが思っている『Flowers In The Dirt』とは違う作品。これ、本編と『1988 Demos』の2枚組で今回Special Editionをパッケージすべきだったんじゃないっすかね。それぐらい、ちょっと驚きのディスク3。
ということで、これまでのアーカイブコレクションでは初めて買った「Deluxe Edition」。予想してたとはいえ、やはり箱がデカすぎてちょっと萎えた。どんな大学の卒業アルバムやねんという感じ。モノとしてはほしくなかったけれど、収録曲としてはこれを買わざるを得なかったという。しかもこれだけのブツなのに、10数曲は別途ダウンロードしないといけないとか、もうよくわからない。
ダウンロードした「Remixes and Single Edits」と「Cassette Demos」もとりあえずひととおり聴いた。DVDはこれから。
ポールの公式サイトで、ボックスに未収録の「Distractions (Demo)」と「This One (Demo)」がさらにダウンロードできるようになっている。てんやわんや状態。
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Paul McCartney
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