太陽の塔は鎮座なんかしてなかった。内臓が脈打ってた

2022年10月31日、やっと太陽の塔の中に行ってきた。ずっと行きたいと思っていた場所に行けた。

ちょっとした帰省に合わせて少しだけオフを取ろうと思い、行きたかった太陽の塔の中に行ってみることに。公式サイトでチケットの事前予約とカード支払いを済ませる。予約優先なので予約で埋まってしまうと当日券は出ないらしい。

日付と時間が決まったので、病気にだけはならないようにと気をつけて晴れて当日を迎える。

当日。快晴。数年ぶりに見た太陽の塔は相変わらずかっこいい。午前の青空によく映える。

万博公園内にあるピッツェリア「NORTH GARDEN」で早めのランチ。窯焼きのマルゲリータのピザはおいしかった。万博公園から排出される間伐材の薪で焼いているそう。その灰も出雲で食器の材料に使われているらしい。循環と再生。いいことだ。

12時すぎに太陽の塔の中へ。

13時30分に予約をしていたけれど、早く着いたのでミュージアムショップを少し眺めつつ、「あ、もしいますいているのなら2回見ようかな?」と思って受付の人に聞いてみた。中に入る時刻は決まっているけれど、どれだけ滞在してもいいとのこと。太陽の塔の中の閲覧の仕組みをよく知らず、予約時刻に集合してその集団で順にガイドされて見て回るのかなと思っていたけど、そうではないみたい。

平日だったこともありその時間帯はすいていたようで、13時30分の予約だったけれど調整して入らせていただいた。ありがとう。

太陽の塔の中には内臓があった。太陽の塔は鎮座なんかしてなかった。めっちゃ生きてたし、内臓が脈打ってた。小さな頃から見ていた太陽の塔の中は真っ赤で、もうそれ自体が生命体のようだった。

とげとげのある赤い壁。真ん中にそびえ立つ生命の樹。下の方はアメーバなどの原生生物で、そこから上に行くにつれて三葉虫、魚類、両生類や爬虫類に続いて哺乳類となっていく。僕がいま生きている根っこはここなんだ。

岡本太郎がこのストーリーと構成と演出を創り出しているの、言葉が出ない。

カメラやスマートフォンでの写真や動画の撮影は1番下のフロアからのみ。そこから階段で上がっていくけれど、撮影は禁止。カメラやスマートフォンはカバンの中にしまわなければいけない。たぶん落下による展示物破損の防止だと思う。

なので撮った写真や動画はそんなにない。けれど、かえって見ることに集中できたように思う。噂に聞いていた世界がすごすぎて「うはー」とか変な声がときどき出た。周囲にほとんど人がいないくらいすいていて、自分のペースでじっくり見られてよかった。

生命の樹に乗っている中で一番大きい生物は写真にも写っている恐竜のブロントザウルスで、唯一1970年の展示から一度も地上に降りていないらしい(他の生物は修復などで地上に降ろされている)。

腕の箇所で奥に吸い込まれそうになる感じや、一番上でさらに上を眺めたときの希望のある照明の演出もよかった。

すごくゆっくり見て40分ぐらいの滞在だったと思う。また見に来たい。

中から出て、改めて太陽の塔の正面に回る。女の人が仰向けに寝転がって正面から撮影しているのを見て「あーわかる」と思って、その近くで僕も座ってしばらく写真を撮ったりボーっと眺めたりした。

僕がずっと見ていた太陽の塔は、北摂から静かにどっしりと大阪を見下ろす大きな存在だった。けれど鎮座なんかしていなかったし、めっちゃ生きてた。内部を修復する計画のニュースが出たときはすごくうれしかったし(2016年頃なのね)、それからすごく楽しみにしていた。やっと見ることができて良かった。

「太陽の塔」オフィシャルサイト(大阪府日本万国博覧会記念公園事務所)

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