ポール・マッカートニーがまだライブで演奏していないビートルズ・ソングあれこれ

ポール・マッカートニーは1989年にソロでのライブ・ツアーを開始してから、かなりのビートルズの曲をライブで演奏するようになった。ウイングス時代はまだ「セットリストの一部でビートルズの曲を披露する」程度だったけれど、ソロになってからのツアーでは「半分以上がビートルズ・ソング」という状態にまでなった。

2002年からほぼ毎年のようにツアーに出て、ツアーごとにセットリストを変えているので、当然ながら「ライブで初披露するビートルズ・ソング」も順当に増えていったんだけれど、まだ演奏されていない曲ももちろんある。「ポールの好きな曲のはずなのに、なぜか演奏されていない曲」もある。

ここでは、その「ポール・マッカートニーがまだライブで演奏していないビートルズ・ソング」の主要なものを挙げてみることにする。

ライブ未演奏の曲を挙げていく前に、いくつか条件をば。

ビートルズの「Lennon-McCartney」クレジットの曲には「主にジョンが書いた曲」「主にポールが書いた曲」「ジョンとポールの共作」の3種類あり、ここでは「主にポールが書いた曲」「主にポールがリードボーカルの曲」を挙げていくことにする。

特に近年のライブでは「ジョンとポールの共作」「ジョンが書いた曲」も演奏していたりするのよね(「ジョージが書いた曲」も演奏している)。例えば「Eight Days A Week」「A Hard Day’s Night」「Please Please Me」「Being for the Benefit of Mr. Kite!」などもライブで披露しているけれど、どちらかといえば「ジョンとポールの共作」「主にジョンが書いた曲」だったりする。このタイプの曲を挙げていくとまだいくらでもあるので、いったん今回の企画では「なし」ということで。

では。

目次

Oh! Darling

アルバム『Abbey Road』収録の「Oh! Darling」。これはポールも大好きな曲の一つのはず。ライブで聴きたい曲の一つなんだけれど、たぶんもう演奏しないだろうなあとも思っている。シャウトもあって歌うのに体力を必要とする曲なのよね、この曲。

ポールはライブで40曲近くを歌い、76歳でも終盤で「Helter Skelter」を歌うという信じられないことをするけれど、もうそろそろ声も出にくくなってきている。「Oh! Darling」は喉を潰す歌い方をするし、厳しいかな。もうね。

When I’m Sixty-Four

アルバム『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』収録の曲。このアルバムのポールの楽曲はほとんど演奏していて、ジョン作の「Being for the Benefit of Mr. Kite!」も「A Day in the Life」も、リンゴが歌う「With a Little Help from My Friends」も(リンゴと一緒に)演奏していたりで、アルバム13曲中9曲も演奏済み。

なのに「When I’m Sixty-Four」はちゃんと演奏していない。ポールも好きな曲のはずなのに。

実は、「ほんの少しだけ披露」程度はあって、2014年7月5日の「Out There」ツアーのオールバニ公演のアンコールのとき、プロポーズをするという観客をステージに上げて、そのとき男性が「When I’m Sixty-Four」を1フレーズ歌い始め、途中から合わせてポールがベースを弾くということがあったらしい。

もうひとつ。今年2018年に話題になったJames Cordenのテレビ番組『Carpool Karaoke』にポールが出演した際、ポールがかつて住んでいた家を案内しているとき、部屋のピアノを弾きながら「When I’m Sixty-Four」を歌っている。

動画では12分頃から。

もうポールは64歳を過ぎてしまったので、ライブではもう演奏しないかなー。どうかなー。

Martha My Dear

通称『White Album』収録の「Martha My Dear」。ライブでは未演奏。

一方で、開演前のサウンドチェック(リハーサル)で、イントロのフレーズをちょっとだけ弾いたことがある、という動画は確認できる(2015年の東京ドーム)。

この曲はピアノを弾きながら歌うのがどうもポールには難しいらしく、いままだライブでは演奏されていない。

そういえば、「Being for the Benefit of Mr. Kite!」もベースを演奏しながら歌うのはかなり難しいそうで、その難しさにチャレンジしてみたとかいうインタビューは読んだことがある。なので、「Martha My Dear」も可能性はゼロではない。かな。

Maxwell’s Silver Hammer

アルバム『Abbey Road』収録の曲。『Abbey Road』B面のポール楽曲はすべてライブで披露しているけれど、A面のポール楽曲は「Oh! Darling」と合わせてどちらも演奏していないのよね。

Honey Pie

これも通称『White Album』収録の曲。いい曲なんだけどね。

A Tast of Honey

アルバム『Please Please Me』収録のポールが歌う曲。オリジナルではなくてカバーソングだけれど、たぶん未演奏。

ビートルズ時代のカバーソングは意外に演奏していて「Kansas City」「Till There Was You」「Long Tall Sally」や、サウンドチェックも含めるともう少しあるけれど、「A Tast of Honey」はたぶん披露していない。

Hold Me Tight

アルバム『With the Beatles』収録の曲。未演奏。ジョンとジョージの掛け合いのコーラスもいるし、そこまで人気の曲でもないからだろうね。

What You’re Doing

アルバム『Beatles for Sale』収録の曲。未演奏。そこまで人気の曲じゃないだろうけれど、地味にかっこいい曲。

Tell Me What You See

アルバム『Help!』収録の曲。未演奏。

この他にも演奏していないポール楽曲のビートルズ・ソングはいくつかあるけれど、小作品ぐらい。小作品か下ネタか、みたいな。

  • Rocky Raccoon
  • Wild Honey Pie

これまで演奏していないポール楽曲のビートルズ・ソングで、何を演奏してほしい?って聞かれたら、「Oh! Darling」かな。

ちなみに2018年の「Freshen Up」ツアーで初披露された曲は「From Me To You」になるかな。正確にはこのツアーで初披露じゃなかったかもしれないけれど、セットリストにちゃんと加わったのは初めて。唐突に若い頃のビートルズ・ソングを演奏すると、ちょっとうるっとくるよね。

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